2019年6月、「里山物語」を通じた第9回の支援を実施しました。今回の支援先は「ほっとくらぶ」です。
「ほっとくらぶ」は重い病気や障害を得てしまったお子さんとご家族のレクリエーション(家族レスパイト)を、一緒に楽しみながらサポートする団体です。直接、里山の保全・再生に関わっているわけではありませんが、活動の開始には里山保全再生ネットワークが深く関わっています。
神奈川県で計画されていた「子どものホスピス」(里山物語の第1回支援先)に2010年から関わってきた里山保全再生ネットワークは、「福祉と里山」の組み合わせに着目してきました。これは「里山の価値が高まれば、保全にもつながる」という考えからです。価値を高める一つの手段として着目した分野が「福祉」だったのです。
そこで長野県でも「子どものホスピス」のような取り組みができないかと考え、機会あるごとに里山と福祉のマッチングを提案してきました。興味を持ってくれたのが、村まるごと里山地域と言える長野県東筑摩郡筑北村の市民団体です。
その結果、2014年8月に医療的ケア児(医療機器や医療ケアがないと暮らしていけない子どもたち)とご家を対象とした「家族レスパイト」を、筑北村で実現することができました。このときは「こどものホスピス」に関わっていた東京の診療所の協力を得て、ゲスト(障がいや病気をもつ子どもとご家族)と医療関係者を派遣して頂きました。食材提供や運営ボランティア派遣などで、地域の方々が積極的に協力してくれたこともあり、2泊3日の旅行は成功裏に終わりました。
その後、松本市や安曇野市地域で訪問看護師をしている方から、「私たちが看ている患者さんとご家族にも体験させたい」との相談を受けたため、実現に向けた話し合いなど、準備を進めました。そして、2015年9月に第1回の「筑北村家族レスパイト」が実現したのです。また、地域で芽生えたこのような活動を継続的に実施していくために「ほっとくらぶ」が立ち上がりました。
以降は「ほっとくらぶ」が家族レスパイトなどを主催し、里山保全再生ネットワークは地域とのネットワークづくりや、活動のサポートなどを通じて、協働し続けています。
一方で近年は「ユニバーサルツーリズム」という言葉が注目を集め始めています。これは「高齢や障がいなどの有無にかかわらず、誰もが気兼ねなく参加できて楽しめる旅行」です。里山保全再生ネットワークは、その行き先として里山が選択されるようになれば、里山の付加価値が高まると考えているため、ノウハウが学べる「ほっとくらぶ」の活動を応援しています。
そこで、今回は「ほっとくらぶ」が里山でキャンプをする際に必要なタープ、テーブルなどの購入資金を補助しました。
なお、今回の支援活動に至るまで、「里山物語」を使用してくださった企業・団体名(50音順)は下記の通りです。
アルソ出版株式会社
飯野海運株式会社
因幡電機産業株式会社環境システム部
株式会社オルタナ
かんでんEハウス株式会社
NPO法人共存の森ネットワーク
国際自然保護連合日本委員会
株式会社シティライフNEW
新宿区立環境学習情報センター
株式会社相互
ソニー銀行株式会社
株式会社大地を守る会
テイエス企画株式会社
東邦化学工業株式会社
にじゅうまるプロジェクト
日本応用動物昆虫学会
日本コムシス株式会社
公益財団法人日本自然保護協会
日本労働組合総連合会
株式会社プレシーズ
株式会社北陸銀行
北陸電力株式会社
ロイヤルホールディングス株式会社