「ジャングル大帝」というマンガをご存じでしょうか。ジャングルの動物たちが主役で、昭和30 年代にアニメ化されました。ジャングルを破壊する人間と動物の対立が描かれることも多く、子どもながらに“人間の業の深さ”を感じたものです。
それから十数年後、人間は自然界を破壊して搾取するだけではなく、自然を豊かにしてきた歴史もあることを知りました。人間がつくりだした空間なのに、結果的には多様な生物が暮らせるようになった里山の歴史です。
かつての里山は薪炭などのエネルギーや、食物などの供給地でした。ところが燃料転換や食物の海外依存、後継者不足などにより経済価値を失い、開発されたり荒れ果てるようになりました。一方で地域の人たちによって守られてきた里山もあります。最近はそれらの場所が “生物多様性保全のモデルケース”として注目されるようになってきました。
そこで、「里山物語」を通じて協業するみなさんにも里山のことを知っていただくために、各地の里山を歩いて、実際に見たことや、体験したことなどを綴っていきたいと思います。目標はリアルな情報を通じて、里山ファンを増やすことです。どうぞよろしくお願いいたします。
(2010年4月 中越パルプ工業社内報kami-cocoro 里山マイスターの「里山通信」vol.1を転載)