中パさんの2013年社会環境報告書で社長と対談された藻谷浩介氏が提唱する「里山資本主義」は、「お金が乏しくなっても水と食料と燃料が手に入る、安心安全のネットワークを用意しておこう」という考え方です。同じようなことを考えてきた弊団体は、長野県内で二つのプロジェクトに参加し始めています。
一つめが放射能汚染地域に住む子どもたちを、松本市の山間部に留学させる「まつもとこども留学」です。お子さんの健康被害を心配する親御さんが多いことから、選択肢の一つとして山村留学を実施するもので、地元のNPO法人が中心になって進められています。松本市が子どもたちの就学を支援するほか、地域住民や著名人など、多くの人が応援しています。弊団体も作物栽培(収穫した作物は親御さんにも送られるそうです)や、里山体験をお手伝いする予定です。
二つめが筑北村でのレスパイトケア施設づくりです。「里山物語」を通じて応援してきた「子どものホスピス」と同様に、重い病気のお子さんとご家族が休息する場づくりを、地域の有志とともに目指しています。この取り組みを通じて、施設を支える人の輪の創出や、レスパイトケア施設への寄付金付き地域産品の開発を通じたブランド化などを目指しています。また、休息に活用される里山の整備も重要な課題です。
どちらも「里山資本」の活用策としては好例と考えて応援を決めました。実際の取り組みは、この紙面を通じてご報告したいと考えています。
(2014年5月 中越パルプ工業社内報kami-cocoro 里山マイスターの「里山通信」vol.17を転載)