「里山物語」第11回支援─能登半島の限界集落を、100年後も持続可能な「現代集落」に転換していく取り組みに、活動補助資機材を贈呈しました。

「現代集落」は奥能登の珠洲市真浦集落を、現代にふさわしい形で再生しようとする取り組みです。里山保全再生ネットワークが初めて訪ねたのは20233月のことです。現地には海、森、畑、溜め池など、100年後も残したい空間が残っていましたが、いわゆる限界集落といわれる地域でした。その限界集落を「現代集落」に変えていこうとするプロジェクトが「現代集落」です。単なる過疎化対策ではなく、関係者たちは100年後の豊かな暮らしを想定して実験をしているとのことでした。

「現代集落」の考える100年後の豊かな暮らしとは、自然から何も奪わない、モノやお金に縛られない生活です。行き過ぎた資本主義や都市への一極集中が進む中で「100年後も本当に豊かに暮らせるのか?」と懐疑と不安を覚えた代表が、真浦地区を都市生活のオルタナティブ(代替生活圏)にしていくことを考えたとそうです。また、先人の知恵とテクノロジーで、水や電気や食を自給自足できる集落をつくり、自然のなかで楽しむ生活をするため、プロジェクトを立ち上げたとのことでした。

 

この現代集落では、自然と共生しながら、人の快適性を追求しているのが特徴です。また、

オンラインサロンの「現代集落LAB」をオンラインフィールドと位置づけ、リアルな真浦フィールドと並走するバーチャルなフィールドとして、現代集落の具現化を取り組んでいることも特徴です。

 

 

中越パルプ工業と里山保全再生ネットワークは取り組みに共感し、支援することを決めました。要望をお聞きした結果として、2023年の秋にもリアルなフィールドでのイベント時に活躍する移動式ピザ窯と、その他道具一式を贈呈しました。

ところが2024年の元旦に、能登半島地震が発生。現代集落のある真浦も被災しました。そのため当初の計画を変更せざるを得なくなったとのことです。現在は地震前から整備を計画していた宿泊施設を、復旧・復興業者やボランティアが活用できる宿泊所として整備することを計画しているとのことです。

 

 

里山保全再生ネットワークは、今後も「現代集落」の取り組みに着目していきたいと考えています。